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ジャズに関する全ての事を題材にしたエッセイ。
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前回はイパネマビーチに行ったことについてお話しました。

今回はブラジルでのボサノバ事情についてお話します。

ボサノバ発祥の地、ブラジルではボサノバはすでにあまりポピュラーな音楽ではありません。
というよりは、すでに過去の音楽という感じで、ほとんどの若い人達はボサノバという音楽に関心がないように見えます。

ブラジルの様々な街でボサノバについて聞きましたが、ほとんどの若者から「そんな音楽、今はもう誰も聞いてないよ」というような答えが返ってきました。

以前にも書きましたが、それはどこか「パリではもう観光客以外、ほとんど誰もシャンソンなんか聞いていない」というのにも通じるものがあります。

ボサノバはブラジル全土で熱狂的に支持されているという雰囲気はありませんでしたが、それでもまだ、リオのイパネマ地域の上流階級層には細々支持されているという印象を受けました。

実際にイパネマ地区には数件、ボサノバ専門のライブハウスがあります。そんな中で一番老舗といわれるVINICIUS DE MORAES BARにいってきました。この店は一階がレストランになっており、二階がライブハウスになっています。 僕が行った日には、残念ながら名前が思い出せないのですが、当時売り出し中でホイットニー・ヒューストンを思わせる美貌と、高い歌唱力をもつ黒人女性歌手が演奏していました。

ライブを聴いているとトロンボーンとベースの二人が飛び入りで「イパネマの娘」を演奏していました。
そのうちの一人が演奏後、僕の近くに座ったので、ちょっと話しをしてみると、彼らはその時ブラジル公演でリオを訪れていたウィーンフィルハーモニーのメンバーだということでした。

ボサノバ好きの日本人がリオに行くと多くの場合、僕と同じようにブラジル本国でのあまりのボサノバの人気のなさに落胆するようです。

ブラジル本国よりもかえって、日本、アメリカ、フランスなどでのほうがボサノバが支持されているような気がします。

アメリカやカナダでは「ボサノバだけがとても好き」というような人はあまり見かけませんが、ジャズを好む人達がついでにボサノバも聴くという場合が多いようです。

フランスのパリでは、ボサノバのライブ演奏を聞かせるカフェやクラブも多く、ひとつの音楽ジャンルとしてボサノバがパリジャンの生活に根付いているような印象を受けました。
僕にはパリの雰囲気とボサノバの軽快な感じがどことなくマッチするような気がしました。

日本では小野リサさんの影響でボサノバというジャンルがかなり一般的に知られているような気がします。

それと一部の超マニアックなボサノバファンが日本のボサノバ市場を支えているのではないでしょうか。
実際ブラジルよりも日本のほうが発売されるボサノバのアルバムは多いそうです。

今回のお勧めアルバムは、日本で大ヒットした

小野リサ 「ドリーム」


アルバム中の多くの曲はジャズのオールドスタンダードをボサノバ風にアレンジしてとりあげています。
アレンジを担当したオスカー・カストロ・ネベスの才能にはいつもおどろかされます。

僕もこのアルバムで小野リサの大ファンになってしまいました

このアルバムで特に好きなのが「ムーンライト・セレナーデ」と「ザ・ボーイ・ネクスト・ドア」
これは何度聴いても本当によいアルバムです。

初めてボサノバを聴いてみたいという方には超お勧めの一枚です。


2枚目はこれも日本で人気が高い

ジョイス 「宇宙飛行士」


何人かのブラジル人に「ジョイスって知ってる?」って聞いたら「彼女は日本で売れてるんだよ」という答えが数回かえってきました。ということはこの人も本国ではあまり人気がないのでしょうか?

しかしそんなこととは関係なく、この人はギターも歌も文句なくうまい人です。
日本でも「ブルーノート東京」などでライブをやっていたみたいです。

このアルバムではジョビンの名曲をジョイスがしっとりと歌い上げています。

ボサノバ系はまだまだお勧めのアルバムがあるのでまた次回に紹介します。
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今回はブラジルとジャズについてのお話です。

ブラジルを代表する音楽と言えばサンバ、ボサノバ、最近ではMPB(エム・ペ・ベと発音する)といわれるブラジルのポップミュージックなどがあります。

そんな中で一番ジャズと結びつきが強いのがボサノバなのです。

ボサノバとはどんな音楽でしょうか?

日本では一般的に「都会的でお洒落でちょっと軽い感じの音楽」という風に捉えられていると思います。

私なりのボサノバの定義は「トム・ジョビン、ジョアン・ジルベルトなどが中心となって確立された音楽で、美しい旋律の曲を複雑なコードチェンジやシンコペーションを多様したリズムで奏でる音楽」とでも言い表せるでしょうか?

ちょっとややこしい話になってしまいました。

ボサノバを楽しむには、とにかく実際に聞いてみることが一番です。

まずボサノバの入門アルバムといえば


スタン・ゲッツ 「ゲッツ・ジルベルト」




ジャズサックスの巨匠、スタン・ゲッツとギター、ジョアン・ジルベルト、ピアノのトム・ジョビン、当時ジョアン・ジルベルトの奥さんだったアストラッド・ジルベルトがボーカルとして参加している最高にお勧めのアルバムです。

このアルバムに入っている「イパネマの娘」は多くの人が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

イパネマとはリオデジャネイロにあるビーチの名前です。他にもリオのビーチで有名なところではコパカバーナなどがあります。

この歌詞は山の手からイパネマビーチに向かって歩いていくスレンダーな女の子のことを歌っています。

リオの娘さんって本当にスタイリッシュで可愛い子が多いのです。

この歌の主人公はこの娘にあこがれていますが、彼女は自分には全く気付く様子がありません。

そんな切ない男の子の気持ちを歌っています。

実はこの「イパネマの娘」には実在のモデルがいたのです。

この歌がブラジル中でヒットしたときに「イパネマの娘は誰か?」とブラジル中が熱狂したといいます。

そんな世間が熱狂する中、この「本物のイパネマの娘」は自分のことが歌われているともしらずに、この歌を口ずさみながらビーチに歩いていったといいます。

この歌の作曲家であるトム・ジョビンと作詞家のビニシアス・ジ・モラーレスはついにこのイパネマの娘は誰かを発表したそうです。

僕としては永遠に謎だったほうがミステリアスでよかったのですが。

ブラジルで実際に「本物のイパネマの娘」の写真をみたことがありましたが、かなりきれいな人でした。
ある信頼できる筋からの情報では、彼女は現在も結婚してイパネマビーチの近くに住んでいるそうです。(娘さんがいるならぜひ会ってみたい!)

実は私、大学時代にこの曲にあこがれてブラジルのリオ・デ・ジャネイロのイパネマビーチまで行ってきました。

次回はその時のエピソードやブラジルでのボサノバ事情などを書いて見たいと思います。
前回のダイアナ・クラールに引き続いて今回もカナダの女性ボーカル歌手を紹介します。
 
エミリ=クレア・バーロウ   Emilie-Claire Barlow

3.jpegエミリ=クレアはトロントをベースに活躍するジャズミュージシャンです。
前回紹介したダイアナ・クラールほど有名でもありませんが、フェミニンな感じのボーカルで聞いてみる価値は充分にあるミュージシャンです。
 
数年前、カナダのグラミー賞、(日本風にいえばレコード大賞?)に相当する、ジュノ・アワードという賞のジャズボーカル部門にもノミネートされていました。
 
ダイアナ・クラールが芯のしっかりとした力強い歌い方をするのにたいして、彼女のボーカルは少し華奢な感じがします。しかし、その分「一生懸命歌っています」という感じが伝わってかわいい感じがするのです。
 
トロントのジャズクラブで彼女のライブを何度か見ましたが、バンドはピアノ、ベース、ドラム、ギター、サックス、トランペットと大人数の編成で、迫力のある演奏を聞かせてくれます。
 
彼女のお父さんはジャズドラマーであり、彼女のバンドのリーダーとしても活躍しています。
 
彼女のセカンドアルバム「トリビュート Tribute」に入っているスティングの「La belle dame sans regrets 」のカバーは何度聴いても、切なさが伝わってきます。
 
彼女のアルバムが日本で紹介されれば、人気がでるような予感がします。 


前回にひきつづきカナダ出身のジャズミュージシャンの紹介です。
いまや、世界的に有名なジャズボーカル&ピアニストになったダイアナ・クラール。
実は彼女はカナダ出身なのです。
 
カナダの西海岸バンクーバーエリアにはバンクーバーアイランドという大きな島があります。島といってもかなり大きく、日本の四国くらいはあります。バンクーバー島にはBC州の州都、ビクトリアという大きな街がありますが、彼女は2番目の街、ナナイモという街の出身ということです。
 
彼女は「子供のころからアート・ティタムやオスカー・ピーターソンのレコードを聴きまくっていた」というような記事をよんだことがありました。
 
その影響か彼女の弾くピアノは正統派、オーソドックスなのですが、前回、紹介したオスカー・ピーターソンにも通じる「わくわく、うきうき系」の楽しくなるような演奏なのです。
 
彼女のアルバムを聞くときは歌もさることながら、その力強いピアノのソロにも耳を傾けてください。
 
僕が昔、LAに住んでいた時、ダイアナ・クラールはまだ、いまほどビックな存在ではありませんでした。LAの小さなライブハウスでクレイトン・ハミルトンというビックバンドのゲストとして演奏していました。
 
その時に僕は初めて彼女の演奏を聴いたのですが「これは大物になる」と直感しました。いまでこそ、彼女は大物すぎてなかなかジャズクラブでは演奏しませんが、そのころはまだ演奏後にその辺をうろちょろしていて、ちょっと話しかければ、サインとかにも応じてくれるような存在だったのです。
 
今思えば、その時にサインをもらっておけばよかったなどと、ちょっとせこい後悔をしています。


ダイアナ・クラールのオススメCD
 
「All for You: A Dedication to the Nat King Cole Trio」



「Only Trust Your heart」




「ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ」



今回からしばらくは僕の住むカナダのジャズミュージシャンを紹介します。
 
カナダのジャズミュージシャンといえば、いの一番出てくるのが以前にも紹介したオスカー・ピーターソンでしょう。
 
オスカー・ピーターソンのピアノはとにかくテクニックに優れており、聞くものを圧倒します。
 
しかし彼のピアノは、そのはや弾きテクニックをひけらかすだけではなく、ある種のやさしさに満ち溢れています。

実は彼は、ナットキング・コールばりの甘いボーカルも聞かせるそうなのです。

有名なエピソードとしてナットキングコールがオスカー・ピーターソンに「僕は歌に専念するから、君はピアノに専念したら?」とオスカー・ピーターソンから歌うのをやめさせようとしたらしいのです。
 
そのせいかどうかわかりませんが、その後、彼のボーカルの入ったアルバムはあまり見かけません。
 
さてアルバムですが、初期にはギターにハーブ・エリス、ベースにレイ・ブラウンを迎えてのピアノトリオでの録音が多くあります。
 
その後、ドラムを加えたカルテットやピアノ、ベース、ドラムによるトリオの演奏などが定着しています。
 
お勧めのアルバムは

「We get request」




「Sound of the trio」




「Blues etude」



などがあります。
 
オスカー・ピーターソンの演奏は決して難解なものではなく、誰でもが楽しくスィングできるようなわかりやすい演奏です。 先にも紹介したナットキング・コールやアート・ティタムなどの影響を感じさせる、「聴くものを、わくわく、ウキウキとハッピーな気持ちにさせる」という感じのジャズなのです。
 
その伝統は若手のピアニスト、ベニー・グリーンなどに継承されています。
 
カナダのモントリオール出身のオスカー・ピーターソンは、現在トロントの近くのミシサガというエリアに住んでいるようです。
 
日本好きでも知られるオスカーピーターソンはすしが好きなそうで、トロントの魚屋で働く友人が「彼が刺身用赤マグロを大量に購入した」と証言していました。
 
僕がトロントに住んでいた時、ダウンタウンの本屋でオスカー・ピーターソンのサイン会が行われました。
仕事でどうしてもいけなかった僕は、妻に頼んでとりあえずサインをもらってきてもらいました。
 
次回はカナダ出身のジャズシンガー、ダイアナ・クラールを紹介します。
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