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ジャズに関する全ての事を題材にしたエッセイ。
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今回はイギリスのジャズを紹介します。

完全な偏見なのですが、僕の頭の中ではなぜか「イギリス」と「ジャズ」というのはうまく結びつかない印象があります。

イギリスと「パンク」もしくは「ロック」、あるいは「クラシック」というとまだしっくりくるのですが、なぜかイギリス人(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドを含む)にジャズは向かない気がするのです。

「じゃあメキシコとジャズがマッチするのか? モロッコは?イランは?」と聞かれても困るのですが、なんとなく、ジャズと相性がいい国、悪い国というのがあるような気がするのです。

しかしながらイギリスからもワールドクラスのジャズミュージシャンはでているのです。

イギリス出身のジャズミュージシャンといえば、まず第一にジョージ・シアリングでしょう。

ジョージ・シアリングといえば、あの名曲「バードランドの子守唄」を作曲した盲目のジャズピアニストです。

僕はジョージ・シアリングのライブを今までに2回みたことがあるのですが、この「バードランドの子守唄」を演奏する前にはいつも

「私は今までに星の数ほどの曲を作曲してきました。でもそのほとんどは消えてなくなりました。これから演奏する曲は、例外的にひとつだけなくならなかった曲です。」

というようなユーモラスな紹介をしていました。

ジョージ・シアリングの演奏スタイルはきわめてオーソドックスなものでまさにジャズピアノのお手本といった感じです。

昔読んだ彼のインタビューには「好きなピアニストはハンク・ジョーンズ」と書かれていました。
確かにハンク・ジョーンズにも通じるものがある真面目なスタイルといえるでしょう。

ジョージ・シアリングには若かりしころにナット・キングコールと競演したアルバムがあります。
また晩年には残念ながら最近なくなった大物男性ジャズ・ボーカリスト、メル・トーメとの競演が多くありました。
僕が見たライブは二回ともピアノトリオにギターを加えたカルテット編成で行われていました。

彼は演奏中、自分のソロの番がまわってくると、「もう少し聞きたいな」と思わせるくらいでソロを打ち切ってしまいます。聞き手はちょっと欲求不満というか、物足りなさを感じるのですが、考えてみるとこの「出し惜しみ」が彼の魅力なのかもしれません。

強引に例えるならば、昔あった焼肉のタレの宣伝か何かで、肉をもっと食べたいと思う家族にお母さんが、「足りないくらいがおいしいの」という言葉にも通じるものがあります。


もう一人イギリス出身のジャズミュージシャンで忘れてはならない人に、マリアン・マクポートランドという女性ピアニストもいます。

若かりしころの彼女のピアノスタイルは英国調ジャズともいえるエレガントなもので、本来はアメリカらしく、ファンキーでブルージーなジャズを、貴族の集う舞踏会ででも似合ってしまいそうな品のある演奏にしたてあげています。これはこれで結構好きです。

村上春樹さんが翻訳した「バードランド」という自伝のベーシストが彼女と競演していたようで、そのあたりの事情が詳しく書かれていました。

この人はピアノジャズというラジオ番組でビルエバンスなどの大物ジャズミュージシャンをスタジオに呼び、競演しています。それがシリーズになっているので、試してみてください。




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